経営者に寄り添い課題解決への道筋を立案

医療機関支援にも尽力する中小企業診断士

出典(クレジット):カンパニータンク 2019年3月号(国際情報マネジメント有限会社発行)

 

製薬会社にて定年退職まで勤め上げた宮内氏が、在職中に取得した中小企業診断士の資格を生かして立ち上げたのが「宮内コンサルタント」だ。誰よりも経営者の声に耳を傾け、目標設定からゴールまで伴奏する独自のスタイルに、野球評論家の鈴木尚広さんが迫った。

 

飽くなき上昇志向で新たな道へ


鈴木 宮内代表は、もともと製薬会社で長年にわたってご活躍されてきたそうですね。この度、中小企業診断士として独立された経緯からお聞かせ頂けますか?
宮内 私は山梨大学の発酵生産学科で微生物を扱っていたため、そこから製薬の分野に興味を抱き、卒業後に製薬会社に入社したんです。初めは営業職として愛知県や静岡県の病院を回っていたのですが、ある時、会社に国際部が設置されて海外展開をしていくという話を聞き、私も携わりたいと思いました。そこで、仕事をしながら必死に英語の勉強をし、上司に課された営業ノルマも全てクリアしてアピールを続けた結果、念願の国際部へ異動できたんです。
鈴木 お若い頃から、自らの目標へ向かって突き進んでいかれるバイタリティをお持ちだったのですね。
宮内 生来、興味を持ったことにはとことん打ち込まないと気が済まない性格なんです。国際部へ移ると、まずはニューヨークへ赴任したのですが、そこで一緒に仕事をした方と名刺交換をすると、皆さん博士号やMBA を取得されていて。その時に初めて、「日本もいずれはこうなるだろうから、私もMBA を取得しておかなければ」という危機感を覚えました。それから、ドイツへの赴任も経験した後に帰国し、仕事を続けるうちにMBA 取得への思いが強くなっていったことから、55 歳で役職定年となり時間に余裕が生まれたタイミングで、大学院へ通い始めたんです。
鈴木 それはすごい!働きながら大学院へ通うのは、並大抵のことではないですよね。
宮内 入学した後は夕方に仕事を終えるとそのまま大学へ行って夜遅くまで勉強に励むという生活を続け、2 年で論文をまとめてMBA を取得しました。さらに、知り合った大学の先生から「中小企業診断士を目指したらどうか」と勧められたため、改めて講義を受講したり実際に複数の企業様に訪問させて頂いたりして、無事にそちらの資格も取得することができたんです。そうして、2018 年に当所を立ち上げた次第です。


共に戦略を考え、ビジョンを描く


鈴木 現在は、どういった事業を手掛けていらっしゃいますか?
宮内 当社では主に、中小企業のマーケティング支援、経営コンサルティング、補助金、助成金、融資の活用支援や申請業務の請負などを手掛けています。その中で、とにかく経営者様のお話にじっくりと耳を傾け、経営において何に苦労されていて、どこに課題を感じていらっしゃるのかを明らかにしていくというスタイルを重視していまして。基本的に、頭の中だけで考えているだけでは思考を整理するのは難しいですが、それを言語化することで、課題の解決に結び付けることができるんです。そしてその後は、各企業様が掲げる経営理念に沿った戦略や、3 年後、5 年後のビジョンを一緒に定めていきます。あくまでも、経営者様ご本人が思い描く将来の姿を実現するた
めに、逆算して戦略を立てていくというイメージですね。
鈴木 なるほど。経営者様が自分の道を進むためのサポートをされているという意味では、代表は伴走者に近いポジションなのですね。
宮内 そうですね。私自身はコンサルタントでありながら、メンター的な存在にもなりたいと思っています。経営者様に気付きを与え、それによって今まで抱えていた問題が解決したり、さらに事業を発展させるための足掛かりとなれば嬉しいですし、何より経営者様の喜ぶ顔を見られるのがやりがいなんです。


開業医の支援も視野に入れて


鈴木 お話を伺っていると、一度定年退職をされた方とは思えないほどのエネルギーが伝わってきますし、この先もまだまだ成長をしていかれそうな雰囲気を感じます。今後のビジョンについてもお聞かせ頂けますでしょうか。
宮内 引き続き経営者様のお力になることはもちろん、これからは開業医の院長へ向けたコンサルティングにも力を入れていきたいと考えています。私自身が長らく医療業界に携わってきたからよく分かるのですが、院長は医療の専門家であっても経営のノウハウまではカバーしきれていないという方が多いです。医師として確かな技術を持ちながら、経営面でうまくいかないために院として成長できないという状況は非常にもったいないもの。そこで、私がその分野をカバーすることで、看護師の方や従業員の方の不満なども解消し、医院経営をより円滑にするためのお手伝いをさせて頂ければと思います。
鈴木 医師の方は日々の診察と経営を両立させるのは難しいでしょうから、医療業界に精通されている代表がサポートしてくださるというのは頼もしいですね。
宮内 ありがとうございます。また、コンサルティング業とは別軸で、農業関係の事業を手掛けることも考えています。千葉県は農家が多いものの、最近は高齢化が進んで耕作放棄地が増えているんです。そこで、若い世代の方たちが少しでも農業に参加しやすくなるような環境づくりをして、地域貢献につなげたいですね。今後も生涯現役で、どこまでも走り続けたいと思います。